被保険者または被扶養者が、同じ月に同一の保険医療機関等で支払った一部負担金の額が一定額(自己負担限度額)を超えたときには、超えた分が高額療養費として支給されます。
自己負担限度額は、収入によって5つに区分され、それぞれ異なった額になります。
また、70歳以上75歳未満の高齢者(後期高齢者医療制度で医療を受ける人を除く)については、自己負担限度額の基準が変わります。
※義務教育就学前とは、6歳に達する日以降の最初の3月31日まで。
所得区分 | 自己負担限度額 (3回目まで) |
自己負担限度額 (4回目以降) |
---|---|---|
標準報酬月額 830,000円以上 |
252,600円+(医療費−842,000円)×1% | 140,100円 |
標準報酬月額 530,000円〜790,000円 |
167,400円+(医療費−558,000円)×1% | 93,000円 |
標準報酬月額 280,000円〜500,000円 |
80,100円+(医療費−267,000円)×1% | 44,400円 |
標準報酬月額 260,000円以下 |
57,600円 | |
低所得者 (住民税非課税世帯) |
35,400円 | 24,600円 |
高額療養費は、医療費の自己負担分(医療費の2割〜3割)が高額になったとき、自己負担限度額を超えた分が後から払い戻される制度です。しかし、払い戻されるまでに時間がかかるため、その間は被保険者がいったん負担しなければなりません。
事前申請により発行される「健康保険限度額適用認定証」を「保険証」とともに医療機関窓口に提示することで、窓口で支払う入院費用は自己負担限度額までとなります。
70歳以上で「限度額適用認定証」が必要な方は申請をしてください
平成30年8月から、70歳以上で所得区分が「現役並み所得者Ⅰ・Ⅱ」の方が、外来・入院時の窓口での支払いを自己負担限度額までとしたい場合は「限度額適用認定証※」の提示が必要となります。
※低所得者の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」
なお、所得区分が「現役並み所得者Ⅲ」「一般」の方は従来どおり高齢受給者証を提示することにより、自己負担限度額までとなるため、申請の必要はありません。詳しくは健康保険組合にお問合せください。
同じ世帯で、同じ月に、自己負担額が21,000円以上のものが2件以上あった場合は、それらを合算した額が自己負担限度額を超えた分について、高額療養費が支給されます。
→70歳未満と70歳以上75歳未満の人が同じ世帯にいるときの高額療養費
過去12か月以内に、同じ世帯で、高額療養費が支給された月がすでに4か月以上ある場合、4か月目からは自己負担限度額が軽減されます。
所得区分 | 自己負担限度額 (3回目まで) |
自己負担限度額 (4回目以降) |
---|---|---|
標準報酬月額 830,000円以上 |
252,600円+(医療費−842,000円)×1% | 140,100円 |
標準報酬月額 530,000円〜790,000円 |
167,400円+(医療費−558,000円)×1% | 93,000円 |
標準報酬月額 280,000円〜500,000円 |
80,100円+(医療費−267,000円)×1% | 44,400円 |
標準報酬月額 260,000円以下 |
57,600円 | |
低所得者 (住民税非課税世帯) |
35,400円 | 24,600円 |
人工透析が必要な慢性腎不全や血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症など、厚生労働大臣が定める特定疾病の治療を長期にわたって受ける場合は、1か月の自己負担限度額が10,000円に軽減されます。ただし、慢性腎不全で人工透析を要する人のうち、標準報酬月額が530,000円以上の人については、自己負担限度額は20,000円になります。負担軽減を受けるには健康保険組合が交付する「特定疾病療養受療証」が必要です。
高額療養費は、次のような考え方で計算します。
1 | 月の1日から末日まで、つまり暦月ごとの受診について計算。 |
---|---|
2 | 複数の保険医療機関等にかかった場合は、別々に計算。 |
3 | 同じ保険医療機関等でも、医科と歯科は別々に計算。 |
4 | 同じ保険医療機関等でも、外来と入院は別々に計算。 |
<標準報酬月額が280,000円〜500,000円の場合>
1か月の 自己負担額 |
― | 自己負担限度額 80,100円+(医療費−267,000円)×1% |
= | 高額療養費 |
高額療養費が支給されるまでの間、当座の医療費の支払にあてる資金の貸付を行う制度です。対象となるのは、高額療養費が支給される見込みのある人です。貸付額は高額療養費支給見込み額の8割相当までで無利子です。
なお、貸付金の返済は、高額療養費の給付時に相殺するので、実質的には前払い制度とお考えください。
みなさんが、お医者さんにかかったときの自己負担額と、介護保険のサービスを利用したときの自己負担額が高額になったときは、月額で限度額が設けられています。
さらに、それらを合算して年額で限度額を設ける制度が高額医療・高額介護合算制度です。限度額を超えた分は、市区町村と健保組合に申請して認められると、あとから市区町村と健康保険組合の両方より支給されます。
所得区分 | 健康保険+介護保険*1 (70歳未満の 人がいる世帯) |
所得区分 | 健康保険+介護保険*2 (70歳から74歳の 人がいる世帯) |
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標準報酬月額 830,000円以上 |
2,120,000円 | 現役並み所得者Ⅲ (標準報酬月額 830,000円以上) |
2,120,000円 |
標準報酬月額 530,000円〜790,000円 |
1,410,000円 | 現役並み所得者Ⅱ (標準報酬月額 530,000円〜790,000円) |
1,410,000円 |
標準報酬月額 280,000円〜500,000円 |
670,000円 | 現役並み所得者Ⅰ (標準報酬月額 280,000円〜500,000円) |
670,000円 |
標準報酬月額 260,000円以下 |
600,000円 | 一般 (標準報酬月額 260,000円以下) |
560,000円 |
住民税 非課税世帯 |
340,000円 | 低所得者Ⅱ | 310,000円 |
低所得者Ⅰ | 190,000円 |
●(*1・*2)対象となる世帯に、70歳から74歳の人と、70歳未満の人が混在する場合にはまずは70歳から74歳の人にかかる自己負担の合算額に、*2区分の自己負担限度額が適用されたあと、なお残る負担額と、70歳未満の人にかかる自己負担の合算額とを合算した額に、*1の区分の自己負担限度額が適用されます。