特別な治療法や医療サービスを受けるときなど、診療の中に健康保険で認められていないものが含まれるときは、原則として医療費の全額を自費で負担しなければなりません。
しかし次のような厚生労働大臣の定める「評価療養」と「選定療養」では、健康保険が適用される部分との差額を負担すればよいことになっています。
健康保険が適用される部分は「保険外併用療養費」として支給されます。保険外併用療養費の制度は、新しい医療技術の出現や患者ニーズの多様化に対応するために設けられました。先端的な医療技術にかかる費用や特別なサービスにかかる費用を患者が自費で負担すれば、基礎的な医療部分については健康保険で給付されるので、先端的な医療などが受けやすくなるわけです。
被保険者(被扶養者)が支払う額は、基礎的な医療部分にかかる医療費の3割の一部負担(義務教育就学前*1は2割。70歳以上75歳未満は2割、ただし現役並み所得者は3割)と、特別な治療やサービスにかかる自費負担分*2との合計額になります*。
*1 義務教育就学前とは、6歳に達する日以降の最初の3月31日まで。
*2 入院したときの食事代については、別途、標準負担額を支払います。
保険外併用療養費は、患者の選択の幅を広げようというのがその趣旨ですから、これを取り扱う医療機関は、院内の患者の見やすい場所に特別サービスの内容と費用を掲示することになっています。
保険証を提示して受診します。
先進医療の要件を満たしている医療機関で、臓器移植などの先進医療を受ける場合には、先端的な医療技術に関する費用を差額として負担すれば、診察・検査・入院などの基礎的な部分については、保険外併用療養費として健康保険組合が負担します。
健康保険で入院する場合は一般室になりますが、広い病室など特別室を希望する場合には、全額を自費負担しなくても、特別料金として一般室との差額を負担すればよいことになっています。
一般室の料金にあたる分は保険外併用療養費として健康保険組合が負担するので、患者の負担は一部負担金と、差額としての特別料金の合計額になります。
紹介状なしで大病院を受診した場合は別途負担がかかりますか? |
治療上の必要があって特別室に入院しました。特別料金はかかりますか。 |