病気やけがをしたときに、もしその医療費を全額負担しなければならないとしたら、たいへんです。大きな手術や入院が長期にわたる場合には、医療費が支払いきれなくなり、必要な医療を受けられないことにもなりかねません。
そこで、働いている人たちが収入に応じて保険料を出し合い、会社も保険料を負担して、本人とその家族が病気やけがをしたときに、わずかな負担で安心して医療を受けられるように設けられたのが健康保険です。
病気やけがをしたときの医療の給付だけでなく、いざというときに経済的負担がかさまないよう、出産や死亡のときにも給付(現金給付)があります。
職域や地域、年齢に応じて次のような医療保険制度があります。国民はすべてそのいずれかに加入することになっています。健康保険はわが国の医療保険制度のなかでも代表的なものです。
制度 | 加入する人 | ||
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職域保険 (被用者保険) |
健康保険 | 組合管掌健康保険 (健康保険組合) |
常時おおむね700人(同種同業を集めた場合は3,000人)以上の従業員のいる企業に勤める人 |
全国健康保険協会 管掌健康保険 (協会けんぽ) |
法人または常時5人以上の従業員のいる個人事務所に勤める人 | ||
船員保険 | 船員 | ||
共済組合 | 公務員や私学教職員 | ||
地域保険 | 国民健康保険 | 自営業の人など (被用者保険加入者以外の人) |
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後期高齢者医療制度 「後期高齢者医療広域連合」と「市区町村」が協力して運営 |
75歳(一定の障害のある人は65歳)以上の人 |